たった一言でコンテスト
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受賞 第2回「たった一言で」コンテスト 元気になったで賞 (代表作品&受賞者2名の発表)

「死ぬ気で売ってやるから」  神奈川県川崎市 川上新二郎様

私は美大を卒業して、デザイナーとして今の会社に就職したハズだった。
しかし、現実はそう甘くは無く「まず営業で5年」人事の発言に酷く落胆した。
クリエイティブな仕事がしたくて、ずっとずっと憧れていた職業に就けたと思ったのに…。

営業として働きだして半年が経った頃、私はもう限界だった。

大学の同期は、少しづつデザインに携わる仕事をし始めていて、会う度に充実していく同期の顔が羨ましかったし、妬ましかった…。会うのが億劫になっていき、仕事の話になると、理由をつけて帰るようになった。これ以上惨めな自分を晒したくなかった…。

仕事のことを考えると落ち込む…。

毎日スーツでヘトヘトになるまで営業し、オフィスに帰れば事務作業。
残業が続き、終電が当たり前になっていた。
「忍耐力を鍛えるため」「いつかこの経験が活きる時が来る」そう自分に言い聞かせ頑張ってはいたが、精神的にも肉体的にも、本当に限界だと感じた。

そんな時、上司と先輩数名に飲みに行こうと誘われた。
正直、部署の飲み会は行きたくなかった。
お酒を次いで、話を聞いて、気を遣うだけの飲み会は仕事並みに疲れる。

「どうした暗い顔して。楽しく無いんか。」

「…ツラいです」

急な質問につい、本音が出た。
すると上司や先輩は大笑いした。

「新人らしい発言だな」
「その時期は誰でもしんどいんだよ」

辛さの意図が伝わっておらず、それ以上は何も言う気にならなかった。
自分の辛さは、求め続けた仕事と違うことをこの先5年も続けていかなければいけないということ…。

すると、上司が言った。

「お前は何もわかってない。目の前のことしか見えてないよ。」

「クリエイターになりたいのは知ってる。だから辛いのもみんな知ってるよ。」

…知ってるならもっとそれなりの……

「でもな、お前は今ラッキーなんやぞ。営業部署の人間と関わりが持てて、めちゃくちゃラッキーなんや。
 お前の目標はなんだ?デザイナーになったらそれで終わりか?
 違うやろ。ヒット商品を生み出して、一流のデザイナーになりたいんと違うか?」

「…はい」

「お前が営業を経験してクリエイターになったら、売る側のことを何も考えてないクリエイターの奴らより、
 絶対いいモノ作ってくれるやろ。」

「そしたら、俺らはお前の作ったモノを、死ぬ気で売ってやるから!!」

なんだか、めちゃくちゃ嬉しくて、涙が溢れた…

「当たり前やろ。
 何も知らんクリエイターより、俺らが可愛がったお前の作るモノを、いくらでも頭下げて売ってきてやるよ!
 全力で売ってきてやるよ!!」

上司や先輩が声を大にして、口々にそう叫んでくれた。
すごい嬉しくて、心が熱くなって、涙が止まらなかった……

やりたいことが出来ない分、やっぱりまだまだ辛いとは思うけど、
もう一回頑張り直そうと、強く思った。

受賞者発表(敬称略)

  • 神奈川県川崎市 上川新二郎
  • 東京都町田市 若手(だった)社員

第2回「たった一言で」コンテスト 他の受賞作品はこちら!

  • プチ紳士・プチ淑女賞
  • こころぽかぽか賞
  • ニコニコ賞
  • ハッピー賞
  • 元気になったで賞
  • ハートフル賞
  • こころにビタミン賞
  • いい言葉で賞
  • スマイル賞

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